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先に結論
担当業務を事実で棚卸し。
求人票から必要な能力を拾う。
最後に、応募先に近い経験を先に置く。
営業から別職種へ転職する時、職務経歴書で悩む人は少なくありません。「売上目標を達成していない」「表彰歴がない」と、書くことがないように感じるからです。
結論は、売上だけで勝負しなくて大丈夫です。顧客対応、資料作成、社内調整、問い合わせ対応、数字の管理を、応募先で使う能力に言い換えます。A4用紙1〜2枚を目安に、応募する仕事に近い経験を詳しく書けば、営業以外で使える経験が伝わります。
職務経歴書は、売上だけで自分を評価する書類ではありません。顧客対応、資料作成、社内調整を応募先の仕事内容に近い順で並べ、確認できる事実を添えると営業以外にも経験が伝わります。
公的資料から分かる、職務経歴書の基本
ハローワークの資料では、職務経歴書はA4用紙1〜2枚程度にまとめ、応募する職務に近い経験を詳しく、ほかは簡潔に書く方法が案内されています。また、職務経歴の前に「志望動機」「略歴」「生かせる能力」のいずれかを3〜4項目の箇条書きで置くと、採用担当者が要点をつかみやすくなります。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構の企業調査では、中途採用を行う企業の66.5%が、採用時の工夫として「募集時に職務内容を明確化」を挙げています。求人側が仕事内容を具体的に示しているなら、応募側も「営業をしていました」だけで終わらせず、その仕事に合う経験を具体的に返すことが重要です。
出典は2026年8月7日に確認。66.5%は中途採用を実施している回答企業について、非該当を除いて集計された割合です。
先に決める: 応募先ごとの見せ方
同じ営業経験でも、応募先によって前に出す部分は変わります。次の表で、狙う仕事に近い行から材料を拾ってください。
| 応募先 | 前に出す営業経験 | 職務経歴書で使う言葉 | 確認する材料 |
|---|---|---|---|
| 営業事務 | 見積、受発注、資料作成、顧客管理 | 正確な処理、期限管理、営業支援 | 月の処理件数、使ったソフト、ミスを防いだ工夫 |
| カスタマーサポート | 問い合わせ、説明、苦情対応 | 状況整理、分かりやすい説明、問題解決 | 対応件数、よく受けた相談、引き継ぎ方法 |
| カスタマーサクセス | 既存顧客支援、課題の聞き取り、社内調整 | 継続支援、課題整理、関係者調整 | 担当社数、定例会、改善提案の内容 |
| 採用・人事補助 | 面談、日程調整、会社説明 | 候補者対応、進行管理、情報整理 | 調整人数、関係部署、説明資料 |
| Webマーケティング補助 | 顧客理解、数字の振り返り、提案資料 | 仮説、検証、改善提案 | 見ていた数字、改善前後、資料の目的 |
| ITサポート | 問い合わせ、製品説明、社内への確認 | 原因の切り分け、手順説明、情報連携 | 扱った製品、質問の種類、解決までの流れ |
職種名だけで決めず、求人票の「仕事内容」と照らしてください。たとえば同じカスタマーサクセスでも、利用支援が中心の会社と、追加販売の目標が強い会社では、評価される経験が違います。
営業経験を職務経歴書に変える5ステップ
1. まず事実を箇条書きにする
最初から文章にしません。担当商材、顧客、担当件数、新規と既存の割合、訪問や電話の件数、資料作成、社内調整、問い合わせ、苦情対応、改善したことを箇条書きにします。
思い出せない時は、厚生労働省のジョブ・カードを下書きに使えます。過去の職務経験や学習歴を整理し、その一部を履歴書・職務経歴書へ移せる公的な無料ツールです。
2. 求人票から必要な能力を3つ拾う
求人票の仕事内容と応募条件を読み、「顧客対応」「資料作成」「関係者調整」など、繰り返し出る言葉を3つ拾います。会社が求めている仕事と、自分の経験を結ぶためです。
3. 「仕事・行動・結果」の順に書く
「コミュニケーション力があります」ではなく、何を担当し、どう動き、何が変わったかを書きます。結果は売上でなくても構いません。処理時間、対応件数、ミスの減少、引き継ぎの改善、顧客からの再問い合わせ減少など、確認できる事実を使います。
4. 数字がなければ、範囲と工夫を書く
正確な売上や改善率を覚えていないなら、数字を作ってはいけません。「法人顧客を複数社担当」「営業・技術・物流の3部署と調整」のように、事実として説明できる範囲を書きます。数字が出せない部分は、手順や工夫を具体的にします。
5. 応募先に近い経験を先に置く
営業事務なら資料作成と正確な処理、サポート職なら問い合わせ対応、マーケティング職なら数字の振り返りを先に置きます。経歴を隠すのではなく、同じ経験の中から応募先に近い部分を詳しくする考え方です。
そのまま使える書き換えの型
| 弱い書き方 | 事実を足した書き方 |
|---|---|
| お客様と関係を作りました | 既存顧客への定期連絡を担当し、利用状況と困りごとを確認して社内担当へ共有しました |
| 資料作成を頑張りました | 商談前に顧客別の提案資料と見積書を作成し、提出期限を管理しました |
| 調整力があります | 顧客の希望納期を整理し、営業・物流・製造の担当者と実現可能な日程を調整しました |
| 数字を管理しました | 月の目標から週ごとの行動件数を決め、進み具合を表計算ソフトで確認しました |
| 苦情に対応しました | 相手の困りごとと希望を分けて聞き、事実確認後に対応手順と期限を説明しました |
上の例は型です。実際にしていないことや、確認できない成果は書かず、自分の業務へ置き換えてください。
1〜2枚に収める構成例
- 職務要約: 勤続年数、顧客の種類、主な仕事を3〜4行
- 職務経歴: 会社・期間・担当業務・工夫・結果
- 生かせる経験: 応募先に近い能力を3〜4項目
- 資格・パソコン操作: 実際に使えるものだけ
- 自己PR: 入社後の仕事へどうつなげるか
職歴が長く2枚を超える時は、昔の担当業務を短くし、直近または応募先に近い経験を詳しくします。履歴書と会社名・在籍期間が食い違っていないかも最後に確認してください。
応募前の確認表
| 確認項目 | はいなら次へ | いいえなら直すこと |
|---|---|---|
| A4用紙1〜2枚を目安に収まっている | 内容の確認へ | 応募先と遠い古い業務を短くする |
| 冒頭で応募先に生かせる能力が分かる | 職務経歴へ | 3〜4項目の箇条書きを足す |
| 「頑張った」ではなく行動が書かれている | 結果の確認へ | 相手・課題・自分の行動を足す |
| 確認できる数字だけを使っている | 表記の確認へ | 不確かな数字を範囲・手順・工夫に変える |
| 求人票の仕事内容とつながっている | 提出前確認へ | 応募先に近い経験を上へ移す |
| 履歴書と会社名・期間が一致している | 提出候補 | 2つの書類を横に並べて直す |
書類の見せ方に迷う人へ
応募する前に、第三者へ見せる
棚卸しと下書きができたら、応募先の仕事内容に合っているかを確認します。ハローワークの職業相談を無料で使う方法も、転職支援サービスで添削を相談する方法もあります。
相談前に決める条件を確認するよくある質問
売上目標を達成していなくても書けますか?
書けます。売上以外に、担当顧客、問い合わせ対応、資料作成、社内調整、仕事を進めるために工夫したことを具体的にします。達成していない数字を良く見せたり、成果を作ったりはしないでください。
営業を辞めたい理由は職務経歴書に書きますか?
基本的には、辞めたい気持ちを詳しく書く書類ではありません。職務経歴書では経験と能力を示し、転職理由を求められた時は「避けたいこと」だけでなく「次の仕事で何をしたいか」まで説明します。
職務経歴書は何枚がよいですか?
ハローワークの資料ではA4用紙1〜2枚程度が目安です。職歴が多い場合も、応募先に近い経験を詳しくし、それ以外を簡潔にすると読みやすくなります。
自分の強みが分からない時はどうしますか?
担当した相手、頼まれたこと、困った場面、自分がしたことを順に書き出します。厚生労働省のジョブ・カードを下書きに使い、最後にハローワークや転職支援サービスなど第三者へ見せる方法もあります。
まとめ
営業職の職務経歴書は、売上実績だけを書くものではありません。顧客対応、資料作成、社内調整、問い合わせ対応、数字管理を、応募先で使える能力として具体的に書きます。
まず事実を箇条書きにし、求人票から必要な能力を3つ拾い、応募先に近い経験を上へ置いてください。確認できる事実だけで作った書類なら、営業を辞めたい人も自分の経験を小さく見せずに次の仕事へつなげられます。
書類を整えたら、面接で次の職場の条件を確認する逆質問集から聞きたいことを3つ選んでください。
自己PRの一段落で迷ったら、応募先に合わせた自己PRの記入例で、自分の行動と活かす場面をつなげてください。
